物書き編。何を書いて居るか/読んで居るか等。
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「すごい――お兄ちゃんの手、まだわたしのなかでビクビクしてる――」

 んでDDD1巻。

 A異常症(レセプタクラッシュ)という精神病が万延した世の中。
 その病気は名の通り、極致的な感情の動き――大きなコンプレックス等により『患部』と認識された箇所から脳内の受容体へ受容体刺激剤(アゴニスト)が過供給される事で、病んだ自己を成り立たせようとする為の、およそ人外の臓器や感覚器といった『新部』をつくり上げてしまう精神病、とのこと。

 超常能力者にはその能力を発生させる為の確固たる器官が必要、という話を何処かで聞いた事があって、その内容に大いに同意していたので、ESPとかPKを取り上げるよりも、こちらの方がラノベ以外の読者も攻撃射程に捕らえられるか、とか、そんな事は感じました。人間が変質するっていうのは画的にもインパクトがあるし。

 何が発病の原因か。
 ひとえに“個人の弱さ”と言い切っていた。

 これはね……奈須きのこの慣例というか。

 戦闘要員たるアリカ(主人公)は悪魔憑き(A異状症患者の俗称のこと)なんですが、駆逐すべき敵の悪魔憑きの独白とか、それまで挙げられた事実だとかで、アリカと敵の悪魔憑きは『同じ異常者だ、同じだ、同じ』と、悉く繰り返されて、読み手も、ああつまり異形の者同士の戦いが始まるのか、と思わせられるんですが、結局、
 主人公自身がそれを完全否定する’’’’’’’’’’’’’’’んですね。完膚なきまでに理路整然と、そしてこちら側の納得を伴ったやり方で。
 発病した原因は“個人の弱さ”と切り捨てていたのはアリカでした。

 バイザウェイ。こまいコトを考えず漠然と感想を言おうとすれば、特にFateをプレイしてからも思ったコトだが、異常な人物だの異状そのものだのを書きたくてやっているんじゃないのだな、と感じた。
 多分人間的な見地から、まっとうな主題を伝えようとして、けどありふれた瑣末な題材を描くのが決して厭だからこういう風にした、みたいな。

 アリカを真人間側から追い出しきらなかった事に関してもそうですが、あんな異常者や、こんな異状まで描けちゃうんだぜ! を前面に押し出したモノではなく、あんな異常やこんな異状を描きながら、最後にそういう所も受け入れながら、傷持ちのままでいいから歩こうや、と、ごく当たり前のコトが伝わって来る部分がいい。
 そして、独善的な解釈かしら……と自信を持たせられない所もまたいい。

 奈須きのこを割りと尊敬してるのはつまり、明るい方へも暗い方へも追従してないところなんですよ。

 まあそんな所で。

 期待通りに面白かったです。楽しい時間を有難う御座いました。
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